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『お久しぶりですこと、セラスさん』




『アンタ…何しにきたんだよ!』




『セラス…』
『ほほほ。宜しいんですのよ、ギーズ様。いつもの事ですわ』
『………』




『…では、私は席を外すとしよう。マダム、ごゆっくり』
『有難うございます、ギーズ様』





『セラスさんが邸を出てからもう五年になりますね』
『…ンな事はいいからさっさと用件云えよ』
『……。先代のお体の具合が良くありません』
『!ばーちゃんの!?ヴィヴィのババァは何やってんだよ!』
『ヴィヴィも懸命に処置してくれていますが、先代は人間で御高齢ですから。
魔女の力で延命する事は容易くても、完治させる事は難しいのでしょう』
『・・・・・・』
『用件はもう一つあります』
『セラスさん、そろそろお邸に戻る気はなくて?』
『はぁ!?』
『先代の件もありますが…世継の事もありますので』
『世継?…ハッ、あんたらにとっては忌々しい俺のガキを作れっての?』
『忌々しいなどと、どなたがおっしゃったの』
『由緒正しいウィザード家系のグランギニョル家にマスケッティアの血。それが俺、だろ』
『…どの血が入っていようとも、
貴方が当家の実子である事はまぎれもない事実なのです』
『で、種付けの為に戻れって?』
『…』
『冗談も大概にしてくれね?
俺にはグランギニョルがどうなろうが関係ねーし、戻る気もねぇよ』
『セラスさん…』
『つーか、今の当主はあんただ。
だったら、あんたがどっかの名門のウィザードの野郎とヤッてガキ作りゃ良いじゃねェか』
『…それは…』
『それともなに?俺の子をあんたが産んでも結果は一緒?
…ククッ俺とアンタ、初めてでもねーもんな?』
『…貴方がわたくしに性欲を抱くのはご自由になさって。
ですが、世継の為ならば…時間の無駄ですわね』
『…?』
『…貴方も、我がグランギニョル家の古くからの慣わしを知るには良い頃かもしれませんわ』
『慣わし…?』
『当家が女家系なのはご存じ?』
『…当主は女しか居ねえなとは思ってはいたケドよ』
『貴方のおっしゃる通り、我が家系はウィザードである男性を迎えて世継を授かる事が
代々受け継がれております。ですが…』
『俺のホントのオフクロがマスケッティアの男と家出ちまったんだろ。
…んで、その間に生まれたのが、俺』
『そう。姉様の事は…それが真実です』
『…で、それとアンタがガキ作らねェのとどう云う関係あんの?』
『……そもそも、わたくしの存在自体が間違いなのですよ』
『は?』
『表があれば裏もあるもの…。当家では、双子は不吉とされているのです』
『え…』
『わたくしと姉様は双子なのですよ。
表向き、現在わたくしが姉様となり家門を継ぎましたけれど、
本来ならばわたくしは表に出られる立場ではないのです』
『貴方を授かり姉様が亡くなられた後、わたくしは姉様となる為に幽閉を解かれました。
そして、その時に』
『女としての機能も、断たれてしまいました』
『な、それ…』
『すでに第一子である姉様の子が居るのですから。
わたくしが子を授かると後々争いが生じるのを予測しての事でしょうね』
『なんだよそれ!アンタの存在ってそれじゃ…』
『一種の保険です』
『幽閉されていた際、マレーネ姉様は身分を偽り、わたくしに会いに来て下さいました…』










ねぇ、貴方の名前は?

…知らない。名前で…呼ばれた事がないから…

そう…じゃあ、わたくしがつけてあげる。

マレーネ。貴方の名前はマレーネよ。

…マレーネ…












『わたくしは、幽閉が解かれるまで自分の顔を見た事がありませんでした』
『初めて自身の顔を見た時は驚きましたわ。
あの、毎日会いに来て下さった姉様の顔がそこにあったのですもの』
『そして、いつも呼ばれていましたので、マレーネと名乗る事にも抵抗なく、今に至ります』
『やっぱり…俺が生まれたから…アンタ…』
『…姉様が亡くなられて、幽閉から解かれ肉体に処置を施された時。
そして、貴方を初めて見た時は』
『確かに憎しみが募ったのは事実です』
『…………』
『わたくしも若かった。貴方を折檻し、その憎しみを発散させていたのも事実です』
『…アンタに気に入られようと、俺も必死だったんだぜ…
でも、魔力がねェ俺には初歩スキルのSBも出来やしねェ…』
『姉様はマスケッティアの男性に唆され、命を落とした。その時はそう、聞いておりました』
『…は…やっぱ、俺って忌々しい存在じゃねぇか…』
『でも』
『わたくしには解ったのです。姉様は幸せだった、と』
『え…』
『今思い返せば。わたくしに会いにきて下さってた時に、
愛しそうにお腹を擦っているのを良く見かけました』
『そして、『貴女ももうすぐここを出られるわ』、とおっしゃったのです』
『その時、わたくしには何の事なのか理解が出来ませんでしたが…』
『今では、貴方はわたくしにとってかけがえの無い愛しい子供なのですよ、セラス…』
『…アンタを無理矢理犯した俺が愛しい子供か?』
『…あの時の事は…夢だった。そう思っております』
『は、夢な………』

















 

何をなさるの、セラスさん!?
うっせーよ、今まで俺を騙しやがって…好き放題しやがって!!
いや!やめなさい!!
…今となっちゃ、俺から見ればアンタはただの女なんだよ!
嗚呼…!!


…え、マジ…かよ…
……………
…何で云わねーんだよ!初めてだって!!
……。
…くそ!!
!セラスさん、待って!



セラス!!!






















『マダム…』
『…約束通り、聞いて下さっていたのですね、有難うございます』




『………』
『そんな顔、なさらないで。わたくしは、今はとても幸せですのよ』




『あの子…
セラスには色々な感情を戴きました。憎しみ、慈愛、愛情、そして、女としての悦びも。
わたくしは、母としても女としても、セラスを愛しておりますの』




『たとえ、あの子に嫌われていたとしても』




『………。セラスが、貴女を嫌う理由が私には見えないのだが』




『え…』




『彼はとても白黒はっきりした性格だ。
貴女を嫌うのであれば、あのような表情はしないでしょう』
『…………』




『ほほほ…ギーズ様はお優しいこと』
『いや、私は…』




『宜しいのです。セラスがわたくしをどう思っていても、わたくしは彼を見守り続けますわ』




『…母として……』

 








 













『おっせーな、何やってたんだよ』




『ま、まぁ…その格好…どうなさったの?』
『どうも何も、ばーちゃんに会うのにンな格好じゃ心臓とまっちまうだろ。
ばーちゃんは俺を「良い子のセラスちゃん」としかみてねーだろうからな』




『セラスさん…』
『セラス、似合うぞ』
『そ?』




『じゃあ今度この格好でギーズの寝室に…』
『遠慮する。(キッパリ)』
『(…ちっ)』





『ま、ちょっと留守すっけど、すぐ戻るから』
『ああ、気を付けて行っておいで。マダムを護ってさしあげなさい』




『俺の後ろにいりゃ平気っしょ。ほら』










 


















『…ルノワール。貴方も、一人前になったのですね…』




『…マスケッティアとして、だけどな』




『充分ですよ…』




















マレーネ編でした。
色々なエゴが渦巻いた設定であります。
セラスが実は寂しがりやだったり母性ある人や子供好きなのはこう云う生い立ちが原因。

構成はあらかたまとまってたのでいつもと比べると少し楽だった気が。
つか、ルノワはコスですサーセン。現物なんて当家にはとてもとても(笑)

ブルロンシステムが無くなったようなので車輪が取れるまでSS撮るの待とうかなとも思ったのですが、思い立ったが吉日と云う事で更新しました。
バックコス云々は見なかった事にしてください。(笑)

今回、横幅400くらいで画像を作ったので少しデカかったかな、と今更ながら思ったり。
重かったり見辛かったらすみませぬ。

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